 |
ヘルペスというのは小さい水疱(水ぶくれ)が集まった急性炎症性皮膚病のことをいいます。
主として単純疱疹あるいは帯状疱疹のことを指しています。 |
 |
単純ヘルペスウイルスの感染によって皮膚や粘膜に小水疱やびらん(ただれ)を生じた病気です。
ウイルスに始めて感染したとき(初感染)、再度感染したとき(再感染)あるいは初感染後体に潜んでいたウイルスが再活性化して症状が現れる場合(再発)があります。
体中どこでも感染しますが、部位別によく発症するものは口唇ヘルペス、性器ヘルペスです。主に接触感染します。
病変部に接触したり、飛沫感染(会話やクシャミなどの際にウイルスの入った飛沫が放出され近くにいる人に付着して感染)などで感染します。 |
 |
単純ヘルペスウイルスは神経細胞の中に潜伏し、発熱・紫外線・歯科治療などのストレスや免疫の低下によって潜伏ウイルスが増殖して水疱などの症状が再燃するのが再発です。 |
 |
軽症では抗ヘルペス薬の外用のみを行なうことがありますが、全身投与が原則です。
重症でなければ抗ヘルペス薬の内服を行い、重症例や免疫の低下した人には抗ヘルペス薬の点滴静注を行ないます。 |
 |
現在の抗ヘルペス薬はウイルスの増殖を抑えるだけの効果でウイルスそのものを取り除くことはできません。
年6回以上性器ヘルペスの再発を繰り返す患者さんには少量の抗ヘルペス薬を毎日内服してもらい予防することができます。 |
 |
かつて水痘(水ぼうそう)に感染した人の神経節内に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化されて生じます。
症状としては、片側の神経分布領域に違和感が生じ1-2週間続いた後、虫刺されのような赤いところが出現しその上に小水疱がたくさんできてきます。
皮膚に症状が出てから1週間は新生・拡大が見られます。
発症後2週間でかさぶたとなり、3-4週間でかさぶたも取れて直ります。 |
 |
抗ウイルス薬の全身投与をできるだけ早期に開始することが必要です。
重症の場合には入院して抗ウイルス薬の点滴静注が必要です。
皮膚の局所には初期には抗ウイルス薬の外用を行ないます。
その後の皮膚の症状の経過に応じ外用薬を変更します。 |
 |
頬部(ホホ)から肩にかけての帯状疱疹の場合、顔面神経麻痺・味覚障害・内耳障害を伴うことがあります。
上肢(腕)に生じた場合、運動麻痺が起こり挙上できなくなることがあります。
外陰部領域の帯状疱疹では尿が出なくなること(尿閉)もあります。 |
 |
帯状疱疹に伴う痛みは多くは皮膚症状の出る前から認められます。全く痛みのない人もあります。
痛みは多くは皮膚症状の治まりに伴って消失しますが、年余にわたって痛みが続くことがあります。
これを疱疹後神経痛と呼んでいます。60歳以上の方に多いとされています。 |